大関琴光喜関らをめぐる野球賭博問題で、琴光喜関を恐喝したとされる元暴力団組員とみられる男は、現役幕下力士(34)の兄だったことが17日、捜査関係者への取材で分かった。豪栄道関や大嶽親方、豊ノ島関が琴光喜関と同じ仲介者の紹介で野球賭博に手を染めていた疑いも浮上し、野球賭博と恐喝事件の構図が判明しつつある。警視庁組織犯罪対策3課は、闇社会が深くかかわる野球賭博と角界の関係について全容解明を急ぐ構えだ。
捜査関係者などによると、幕下力士は大阪府出身で初土俵は平成10年、最高位は十両12枚目で過去に三段目優勝を1度果たしている。
琴光喜関は力士の髪を結う床山や元力士の仲介で野球賭博にかかわったが、琴光喜関は昨年末、仲介者に対し野球賭博の「勝ち金」である500万円の払い戻しを求めた。この際、琴光喜関は仲介者から、同じ胴元に借金があるこの幕下力士に支払いを請求するよう依頼されたという。幕下力士も同じ胴元を通じて野球賭博にかかわっていたようだ。
しかし、琴光喜関は逆に元暴力団組員とみられる男から「賭博をばらされたくなければ、口止め料を支払え」と脅されることになる。その男が幕下力士の兄だった。琴光喜は男に現金約300万円を脅し取られ、さらに1億円を要求されたことから関係者に相談。恐喝被害と賭博疑惑が明るみに出た。
同課は琴光喜関の恐喝被害や野球賭博の有無を確認するため、これまで琴光喜関や床山から複数回にわたり、任意で事情聴取。ともに賭博への関与を認めた。
高知県出身の豊ノ島関は14年に初土俵。最高位は関脇で、多彩な技で相撲ファンを魅了。過去に殊勲賞、敢闘賞、技能賞を2回ずつ獲得している。豪栄道関は大阪府出身で、敢闘賞を2回、技能賞を1回獲得している。
協会が全協会員を対象とした賭博の実態調査では、琴光喜関を含めた計29人が野球賭博への関与を自己申告しているが、琴光喜関以外の力士の名前などは公表されていない。
琴光喜関に続き、新たに豊ノ島関と豪栄道関という人気力士による野球賭博疑惑が発覚したことで、角界の屋台骨がさらに揺らぐ事態となった。
組織犯罪対策3課は協会側から、自己申告したすべての力士の上申書の提出を受けており、今後、聴取が必要と判断した力士から順次、事情を聴く方針だ。
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